だれも猫には気づかない晴れた朝それとも雨の夜

2013/05/08

眠れる神々の道へ

 クリセニアン夢語りシリーズの第2巻です。「眠れる神々の道へ」。
 このシリーズ、どこまで出版されているのか判りませんし、そもそも私は第1巻を読んでいませんけれど、面白そうと思ったので手に取りました。そもそもが、これの前作にあたる『クリセニアン年代記』シリーズが大好きなのです。

 前作を何度も何度も読み直した身としては、筋書きよりも、年代記に登場した主要人物たちがどうなったのか窺い知れるのが楽しかったです。
 一応、前作の最終巻でも少しだけ語られていますが、フェランの息子フェザンと、消息を絶ったアルジェリックに生き写しの少年アンジュを始めとして、ラリッサ皇后やナーザルティアの子シェラダン……まさか、今作ではフェランの子がもう一人増えているとは思いませんでした。

 物語の筋書き自体は、まだまだこれからといったところです。呪いのせいで眠ったままの父王を助けるため、フェザンたちが西クリセニアンに乗り込もうとするところで幕切れ。
 どうやらこの前の本で、アンジュと共に勝手に旅立ったところまで綴られていたようですね。

 筋書きよりも、前作で登場した人物たちの成長ぶりや現在の活躍ぶりに目を引かれています。
 ラリッサ皇后なんて、何時の間に立派な皇后になられて。彼女の娘セリシアも気になりますし、そのセリシアがゼルミナ女王の再来と謳われていること、兄のラニール皇子が大好きなことなど、冒頭で少し綴られただけですが先が気になります。
 あとはそう、リュキアが孕んでいる第3子も気になりますし、いつの間にか生まれてたフェザンの妹ミルデラータなんて、フェランの母ミルデラーテにそっくりではないですか。

 このシリーズ、第3巻以降もきちんと発売されているのでしょうか。叶うならば読んでみたいものです。ところで、シリーズ名が『クリセニアン夢語り』ですが、ここで綴られた物語が盛大な夢幻(嘘)であるというオチは、まさかありませんよね?


クリセニアン夢語り〈2〉眠れる神々の道へ
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misano414 at 06:00│書籍/小説(長編) 
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